なぜ巨人は1点差に弱い? 評論家は“一発頼み”を指摘…「阿部野球が浸透していない」
V逸する年は接戦に弱い
巨人がV逸する年は、接戦に弱い傾向がある。2年連続4位に沈み、原前監督が事実上の解任となった2023年がいい例だ。
チーム打率.252、164本塁打はともにリーグトップだったが、圧倒的に多かった本塁打による得点が大半を占め、犠打や進塁打という意識が乏しかった。その証拠に、本塁打が出ない試合は9勝34敗1分け。そんな「一発頼みの野球」が染みついた状態で阿部監督にバトンが渡されたのだ。
きょうから対戦する昨年の日本一チームのDeNAは、7日現在4勝4敗1分け。
ほとんどの数字で巨人を下回るが、得点圏打率は.304でリーグトップだ。
「巨人は基本的に選手の能力でやる野球で、知力の野球がなかなか浸透しない。一発でねじ伏せるのは限界があります。DeNAは三浦監督が信頼するアナリストのデータによって、チャンスの時の相手投手の配球傾向などを洗い出して攻撃に役立てているそうです。効率的に1点を取る野球ができつつあります」とは前出の秦氏。阿部監督は1点をもぎ取る野球を強化している。どこまで浸透するか。