マスターズ中継またも“ポロリ”で再脚光…TBS名物実況アナが語っていた伝説の「もらい泣き中継」の舞台裏
──松山にとって10度目のマスターズ挑戦になった今年は勝つ予感があったとか。
ひとつは、昨年末に目沢秀憲氏とコーチ契約を結んだこと。これまでかたくなにコーチを付けないで戦ってきた松山が、その信念というか考えを変えた。本気でメジャーを取りにいくんだという期待を持ちました。もうひとつは、マスターズ前週のテキサス・オープン。30位と振るいませんでしたが、最終日に4ボギー、1ダブルボギーを叩きながら、1イーグル、5バーディーを奪った。(マスターズ3度制覇の)フィル・ミケルソンがよく、「マスターズの前の週は試合でバーディーを取る練習をしないとダメだ」と言っていたのを思い出し、これはいい兆候だなと。
──予感が当たった。
マスターズを制するには、15本目のクラブが必要だと言われます。実際に使えるのは14本ですが、上手下手や調子を超越したなにか、ある人にとってはそれが忍耐かもしれないし、ある人にとっては恩師を亡くした悲しみだったりする。そういう15本目のクラブが今回の松山選手にもあったのではないか。今、彼にインタビューできるとしたら、それを聞いてみたい。