僕は選手をあえて突き放すこともある…「そのやり方を選択したのは自分やろ」というプロの鉄則
ロッテの二軍コーチだった頃、ある選手が僕のところに来てこう言った。
「自分はもうダメです。どうしたらいいですか?」
長い間、二軍でも結果が出ずに悩んでいた選手だった。
球団も首脳陣も能力を評価していたが、二軍暮らしに慣れてしまっていた。一軍に上がってやるぞという意識が薄くなってしまい、「今の環境でいかに快適に過ごすか」だけを考えているように見えた。指導者から言われた通りにやるだけで、自分で何かを考えて工夫しようという意欲がなかった。だから、僕は突き放すようにこう返した。
「心の中で成績が出ていないことを人のせいにしていないか? おまえが結果を出せないからって、監督やコーチはクビにはならん。周りはあくまでおまえを評価するんやで」
二軍にはコーチに言われた通りにやって、毎日が平和に過ごせればいいという選手が少なくない。ただユニホームが着られているだけで満足しているタイプでも、二軍でも結果が出ないとクビが見えてくる。さすがに切羽詰まるのだ。そんな時、僕は技術的な話を一切しない。僕は二軍でくすぶっている選手にこう声を掛けたことがある。