「革命戦士」と呼ばれた男の実像に迫る

公開日: 更新日:

「真説・長州力 1951-2015」田崎健太著

 昨今「プ女子」といわれるプロレス好き女性効果などもあり、プロレスブームが再燃しているという。だが、本書で描かれるプロレスは終始男だらけの世界だ。登場する女性は、プロレス団体の事務員程度という男くささプンプンの書である。

 プロレスといえば、アンドレ・ザ・ジャイアントが牛を1頭食ったやらなんやらの真偽不明のホラ吹き話も多いが、本書はプロレスラー・長州力の実像にかなり迫った書である。特に長州を美化するでもない。それが表れるのが、一時期はジャパンプロレスで共闘し、後に長州が立ち上げた団体で選手兼営業担当となる谷津嘉章と著者のやりとりのシーンだ。現在、谷津は長州と断絶している。谷津は不機嫌そうな様子でこう言った。

「これって長州の伝記みたいなものだから、事実を書けないところもあるんでしょ? 英雄伝みたいなものなんじゃないの?」

 これに対し、著者は「この本はあくまでもぼくの著作であり、中には長州にとって不都合なことも含まれる。だからあなたに話を伺いたいのだとぼくが答えると、谷津はなるほどと頷いた」と振り返る。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」