「報道しないメディア」喜田村洋一著
「報道しないメディア」喜田村洋一著
1988年、北公次がジャニー喜多川による性加害を告発する本を出版した。ベストセラーとなったがジャニー喜多川もジャニーズ事務所もこれを無視した。
だが、1999年、「週刊文春」がこの問題を取り上げ、ジャニー喜多川は謝罪広告と損害賠償を求める。裁判で文芸春秋の負けとなり、「文春」の連載が終わったとき、この問題を報道するメディアはなかった。被害者が深い心の傷を負って取材に応じなかったため、事実確認ができなかった。また、出版社、新聞社、放送局など大手メディアにとって、これは「週刊誌レベルの話」だったのだ。
メディア裁判の第一人者が日本のメディアの抱える問題を告発する。
(岩波書店 748円)