「蜘蛛と蝶」大石圭著

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 実家住まいの歯科衛生士・多岐川瑠璃子は33歳。妹の亜紀菜が夫と別れて子連れで実家に戻ってきたのをきっかけに、そろそろ家を出なければと思い始める。母親からは結婚をせかされ、職場仲間の美和はインターネットで知り合ったサラリーマンと結婚することになっており、職場でも独身なのは瑠璃子だけになってしまう。今まで恋愛に積極的ではなかった瑠璃子は職場と家を往復するだけで、しばらく誰とも付き合っていなかったが、思い立って出会い系サイトにアクセスし、そこで気になった7歳年下の男に恐る恐るメッセージを送る。何度かのやりとりの末、ついに付き合うようになるのだが……。

「履き忘れたもう片方の靴」で第30回文藝賞佳作を受賞してデビューして以来、ホラーから官能まで幅広いジャンルで活躍する著者の最新作。恋に臆病な年上独身女性側の視点と、その相手となる年下の若い男の事情や葛藤を描きながら、思いがけない結末まで一気に読ませる。(講談社 1400円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

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