「補欠廃止論」セルジオ越後著
日本の団体スポーツが強くならないのは、学校の部活動における「補欠制度」が原因だと説く著者によるスポーツ改革論。
著者が問題視する補欠は、試合に出る可能性が全くないベンチ外の選手のことで「控え選手」は含まない。部活という教育現場で補欠が存在するのはとんでもないことだと著者は憤る。
学校で、成績が悪いあなたは補欠だから、授業は受けられませんが、毎日登校して仲間を応援してくださいと言われたら本人や親は怒るだろうと。補欠制度を生み出した背景を解説しながら、スポーツがうまくなるためには補欠の悔しさではなく、試合を楽しんだ上で失点やうまくプレーできなかった悔しさを味わうことこそ大切だと説く。(ポプラ社 800円+税)