「研究不正」黒木登志夫著
この15年間でノーベル賞の自然科学3部門を受賞した日本人の数は米国に次いで2位。一方で、研究不正などで撤回された論文のワースト30に5人もの日本人が名を連ねているという。日本人による研究不正は、21世紀に入って急速に増えたのだそうだ。
記憶にも新しいSTAP細胞や、製薬会社によって仕組まれたノバルティス事件をはじめ、原著論文216報のうち、捏造のない論文は3報だけで、あたかも小説を書くように論文を作成したと糾弾された麻酔科医など、日本をはじめ各国の研究不正の事例42を検証。
不正の実態とそこに至った背景と、当事者たちがたどった結末などを紹介しながら、不正防止のためにどうすべきかを考える。(中央公論新社 880円+税)