「選ばれし壊れ屋たち」鹿島田真希著

公開日: 更新日:

 新人作家の小夜は、デビュー作は評価されたものの、2作目が書けず、担当編集者に斡旋してもらったボーイズラブ小説の応募原稿の下読みで糊口をしのいでいた。ある日、小夜を呼び出した元カレの北川が、クリエーターになると言い出す。この前まで目指していたアーティストになるのは諦めたらしい。

 大学時代、その意味深な言い回しに多くの友人たちがだまされたが、小夜はもうだまされない。読んでもいない彼女の小説を批評する北川の話を聞き流し、部屋に戻った小夜は北川という教祖を自分の中から抹殺するため、応募作の下読みに没頭する。

 北川をはじめとする周囲の壊れた人たちに翻弄されながら生きる小夜を主人公に描く青春小説。(文藝春秋 1600円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」