「北高野球部 学生監督ガイ」本田 有明著
交通事故でケガをして野球部をやめた朝日奈凱はバッテリーを組んでいた蔵本大也に、野球部の監督になれと言われた。天堂北高の野球部は甲子園の強豪校だったが、不祥事が重なり、校長から県大会でベスト4に入らなければ廃部にすると言い渡されたのだ。
野球部のやる気のない練習光景を見ていたガイは乗り気ではなかったが、下校時にキャッチボールをしている生徒に目をとめた。
投手は手加減して投げているのに捕手が一球も捕球できない。ガイが捕手を務めてみると、まったく気合が感じられない「死んだ球」が、ガイの手前ですうっと左にすべった。崖っぷちの野球部再生に挑む熱い青春小説。(河出書房新社 1500円+税)