「世界漫遊家が歩いた明治ニッポン」中野明著
19世紀末、交通機関の進展で世界中を旅行する世界漫遊家=グローブトロッターと呼ばれる人々が出現。明治期の日本にも多くのグローブトロッターが押し寄せ、旅行記を残している。その旅行記を読み解きながら、彼らの目に映った神秘の国ニッポンを描き出すノンフィクション。
明治2年に世界一周旅行の途中で日本に立ち寄り、幕府が肝いりで建設した築地のホテルなどに宿泊したエドワード・プライムをはじめ、明治5年にツアー客を連れて来日したトーマス・クック、金持ちで何度も来日、2年近くに及んだ最初の滞在中に明治天皇と謁見したチャールズ・ロングフェローなど。彼らの旅を追体験しながら、当時の日本の風俗を紹介する。(筑摩書房 840円+税)