「ネコがメディアを支配する」奥村倫弘著
長年、ネットニュースに携わってきた著者によるメディア論。
売り上げのほとんどを広告収入にたよるネットメディアは、ページビュー(PV)に収入が左右されるため、PV至上主義に走る。一方で、SNSで誰もが発信者になれる時代となり、高い価値を持つコンテンツも登場するようになった。そのひとつがPVを稼ぐ「ネコ動画」だという。そうしたコンテンツが勢力を増す一方で、多くの労力や費用がかかるが、社会に伝える意義のある「ニュース」やそれを支えるジャーナリズムの価値が揺らぎ始めている。書名はそうした状況を表現している。
ネットメディアの進化は終わったと指摘し、ネットメディアやネットニュースの今後を予測する。(中央公論新社 780円+税)