連載<18> 由貴子の携帯電話に「兄です」と
翔馬は一人、病室に戻った。由貴子はまだ眠っていた。横に座って小さな手を握ると、無意識に握り返してきた。傷つけたのは翔馬なのに、翔馬だけを信頼してくれているようだった。
しばらくすると点滴が終わり、看護師が入ってきた。手際よく針を抜き、翔馬に向かって「大丈夫ですよ、ずいぶ…
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