連載<8> 人の金で遊ぶのはこれが最後だ
弟の翼に小遣いは何度か渡したことがあるが、きょうはやるつもりはなかった。だが少し気が変わった。机に置いた二万円を、翔馬は翼に向かってゆっくり動かしていく。固っていた翼が、紙幣に向かって手を伸ばした。
翔馬が先に手を出して、紙幣を隠した。
「なんだよ」
翼が…
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