「ミステリークロック」貴志祐介著
美人ミステリー作家、森怜子の山荘で、作家生活30周年の晩さん会が開かれた。
招かれたのはミステリー作家、編集者、元夫の内科医、俳優、弁護士など。広間は、高さ2メートル超のグランドファーザークロック、電波時計など時計だらけ。怜子が2階で明朝締め切りの原稿を執筆する間、夫の時実玄輝が、ムーブメント不明のミステリークロックなど怜子の豪華な時計コレクションを客に披露した。1時間後、時実に言われて様子を見に行った秘書が怜子の死体を発見する。山荘は指紋認証錠で守られた密室だ。時実は「この中に殺人犯がいる」と客に猟銃を向けた。(表題作)
防犯探偵、榎本径が4つの密室の謎を解く。(KADOKAWA 1700円+税)