「公家武者 信平 消えた狐丸」佐々木裕一著
公家の鷹司家に庶子として生まれた信平は、3代将軍家光の正室になっていた姉の孝子を頼って江戸に下り、武家となった。あまたの悪人を退治してきた信平は、50石の旗本から出世して1400石の領地を賜るようになり、徳川御三家の頼宣の娘・松姫を妻に迎えた。
3年前、宿敵・神宮路とその一味を倒し、江戸を戦火から救った信平は、妻子とともに平穏な日々を送っていた。そんなある日、信平は訪ねてきた元老中・阿部忠秋から剣客を狙う辻斬りが江戸市中に出没していると耳にする。そんな矢先、武家になるときに父から譲られた宝刀「狐丸」が屋敷からこつ然と消えてしまう。
公家大名として知られる実在の松平信平を主人公にした人気時代小説の新シリーズ。(講談社 620円+税)