「面倒くさい女たち」河合薫著
世の中の女性たちが同性にさえ「面倒くさい」と思われているのはなぜか。なかなか公言できない問題に迫るテキスト。
リーダーシップや自尊心、協調行動など、さまざまな面で男女差があるといわれてきたが、統計的に検討した結果ではその差は認められず、最近話題の「男脳・女脳」も有意差はないという。
しかし、職場ではうんざりするほどの女性問題が存在するのはなぜか。それは多数派の男性が、目に見えない結束力で少数派の女性を特別視するからだと著者は指摘。多数派には多数派の規範があり、それを逸脱する少数派の言動が「面倒くさい」のだと。それを「ババアの壁」と名付け、なぜ女性上司は女性部下に厳しいのか、なぜ女の会議は長いのかなどのケースを分析しながら、その発生原因や解決法を考える。
(中央公論新社 840円+税)