あなたの新生活応援!片づけ術を極める本
「片づけ心理マジック」伊藤勇司著
新学期や新年度を迎える春は、誰にとっても新たなスタートを切る季節である。勉強や仕事で成果を上げたり、心のゆとりのためには、心地良い住環境は欠かせない要素だが、片づけが苦手という人は意外に多い。今週はそんな人たちのために片づけ術本を特集する。
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空間心理カウンセラーの著者によると、心と部屋の状態はつながっているそうだ。不要なモノであふれていたり、モノが散らかっている部屋は「不要な考えにこだわり、気持ちが整理されていない」心の状態そのままなのだ。
ゆえに片づけにはメンタルメリットがあり、片づければ片づけるほど自己肯定感が高まるという。本書は、「家族にとってハッピーな環境をつくること」を目標に定め、片づけの習慣が3週間で身につくプログラムを、ある一家の挑戦をコミックで紹介しながら解説する。
1日目はダイニングテーブルなど、家族共有のスペースで、よく目に触れる1カ所だけとりあえずきれいにする。2日目は床にあるモノだけでもしまうなど、誰にでもできそうなプログラムで片づけ問題をメンタル面から解決する。
(笠倉出版社 1200円+税)
「今あるもので『あか抜けた』部屋になる。」荒井詩万著
部屋が片づいたら、次に目指すべきは、自分好みのオシャレな部屋だろう。しかし、部屋が狭い、お金をかけたくない、賃貸だ、センスがないと諦めている人は多いのでは。本書は、そんな人たちに簡単にできる部屋づくりの方法を伝授してくれる。
部屋がイマイチなのは、すべてが「なんとなく」の感覚で配置されているからだ。センスが良いあか抜けた部屋とは、見るべきものが明確な部屋。やみくもに飾ったり配置したりするのではなく、目線に合わせて飾り、配置するのだという。まず第一にすべきは、部屋の入り口から一番遠い対角に大きめの観葉植物やソファなど部屋の主役になるものを置くこと。その他、背の低い家具を奥にして錯覚で部屋を広く見せるなど、誰でもできる20のルールで、お金をかけずに部屋がオシャレに変身。
(サンクチュアリ出版 1300円+税)
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。増補版」佐々木典士著
片づけを究めた先にある究極のスタイルが、ミニマリストという生き方かもしれない。持ちモノを自分に必要な最小限にそぎ落とす生き方だ。
自らの実践を通してミニマリストという生き方の素晴らしさを説いたブームの火付け本の文庫化。
モノを減らすことで感じる気持ちは、余計なものが何もない旅先の旅館で味わう心地よさに似ているという。対照的に、手に負える以上のモノを持つと、モノ自体に煩わされるようになり、肝心なことに手が回らなくなる。モノを手に入れたり、維持・管理するために時間もエネルギーも使い果たしているのが現代人なのだ。なぜ人間はモノを持ちたがるのか、そしてモノを手放すにはどのような手順が良いか、そしてモノを手放すことによってどのように人生が変わったかを語る。
(筑摩書房 740円+税)
「片づける力をつける」橋本裕子著
いきなりモノをたくさん捨てるのではなく、自分の好きなものだけを自然と残して、すっきり暮らす、そんな方法を教えてくれるマニュアル本。
まずはモノのグループづくり。収納したいものを自分のイメージでグループ化する。マスクなら薬をイメージする人は薬のグループに、ポケットティッシュならそのグループへと分類。そしてグループが決まったらそれぞれを「しまう家」(収納ケースやかご)をつくる。まずはこうした基本ルールを確認。
その上で、冷蔵庫内の使い分け方や、調理器具の収納など台所回りをはじめ、ダイニングテーブルの横に同じ高さのワゴンを置いて実現する上に何もない状態のテーブル、靴箱に靴が入りきらない場合の靴の「衣替え」法や、紙袋の保管など。
生活の隅々にまでアドバイス。
(ダイヤモンド社 1400円+税)
「『ちゃんとしなきゃ!』をやめたら二度と散らからない部屋になりました」なぎまゆ著
「元・片づけられない人間」だったというマンガ家の著者は、必要なのは「きちょうめんな人と同じになる『努力』ではなく、大ざっぱな自分でも片づいていられる『工夫』」だと気づいてから、普通に片づけられる人になることができたという。
本書は、汚部屋化した友人の部屋の片づけの手伝いをした経験をコミック化し、その工夫の実際を紹介するコミックエッセー。
まずは、本と服は処分したというのに、まだ足の踏み場もないほど汚部屋化した友人A宅へ。封筒に入れて片づけるという記事に感心して実践した結果、何が入っているか分からない大量の封筒や、必要になるたびに見つからないから買っていた無限にある文房具などに悪戦苦闘しながら、どのように対処し、片づけるか、すぐに実践できるテクニックを伝授。
(KADOKAWA 1000円+税)