「江戸の不動産」安藤優一郎著

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 徳川時代、江戸では武士や町人、農民が入り乱れ、土地取引に精を出し、不動産ビジネスが盛んに行われていたという。

 不動産という視点から江戸経済の実態に迫る歴史本。

 100万都市といわれた江戸の土地は、幕府が所有し大名や旗本など武士が拝領した「武家地」、神社や寺院が立つ「寺社地」、町人が住む「町人地」の3つに分類される。江戸の7割を占める武家地は幕府の所有地であり、拝領主には売買が許されていなかった。

 しかし、実際には抜け道があり、売買されていたという。

 そうした武家地の取引の実際や規則をかいくぐるテクニックをはじめ、資産を蓄えた豪商や豪農の不動産経営、維新後の拝領地の払い下げを巡る駆け引きなど。

 世界最大の都市として繁栄した江戸の意外な秘密が明らかになる。

(文藝春秋 820円+税)

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