「すごいぜ!菌類」星野保著

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 信じられないが、遺伝子から見ると、私たち動物に一番近い生物は菌類だという。地球上には150万種ほどの菌類がいると推定されているが、現時点で見つかっているのはその10分の1ほど。そんな菌類の世界を冗舌な語り口で解説してくれるサイエンステキスト。

 そもそも菌類とは何か。お馴染みの麹(こうじ)や酵母は菌類だが、腸内細菌や乳酸菌は「細菌類」に分類される。まずは無酸素状態の原始地球で誕生した最初の生命から、菌類に至るまでの進化の過程をたどる。

 一方で日本人に身近な麹菌が、欧米ではカビ毒を作るコウジカビとして忌み嫌われる理由や、重金属に耐性を持つ白絹病菌、北欧で好まれる猛毒の食用きのこシャグマアミガサタケなど、豊富な話題で菌類の知られざる生態と凄さを伝える。

(筑摩書房 800円+税)

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