堂場瞬一
著者のコラム一覧
堂場瞬一作家

1963年、茨城県生まれ。2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。警察小説、スポーツ小説などさまざまな題材の小説を発表している。著書に「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」など多数。2021年、作家デビュー20周年を迎え、出版社を横断したプロジェクトが進行中。

<110>10人以上の刑事が市村書店を家宅捜索

公開日: 更新日:
イラスト・宮坂猛

 高峰は、マスクを顎まで引き下げて深呼吸した。そうすると埃っぽい空気のせいで、大きく咳きこんでしまう。かと言ってマスクをすると息苦しく、顔が熱い。普段、マスクなどしないから、どうにも自由に動けない感じがした。

 しかしこの状況では、マスクは必須だ。

 主人の市村隆司が…

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