「ときめく カエル図鑑」高山ビッキ文 松橋利光写真 桑原一司監修

公開日: 更新日:

 そのユニークな姿形に親近感を覚えるからか、縄文土器にもその姿が描かれ、多くの童話や絵本などにも登場するカエル。

 都会暮らしではお目にかかる機会も少なくなってしまったが、カエルは昔から人間にとって身近で馴染みのある生き物で、最近では飼ったり、グッズを集めたりする「カエラー」さんたちが増えているそうだ。そんなカエルの魅力をたっぷりと紹介してくれる図鑑。

 キリスト教では邪悪で不浄な存在とされるカエルだが、一方で「ハッピーフロッグ」といわれ、縁起物にもなっている。日本でも「お金がかえる」「よみがえる」などの縁起の良い語呂合わせに使われることがある。そもそもカエルという名には、どこに行っても、もと居た場所に帰る「帰巣性」や、冬に姿を消しても春になると蘇る「蘇生性」からきているそうだ。

 そうした人間とカエルの関係をさまざまな視点から考察した上で、いよいよ世界のカエルが登場。トップバッターのコバルトブルーに輝く「コバルトヤドクガエル」やミッドナイトブルーの体に黄色と黄緑色のラインが入った「ソメワケヤドクガエル」など、ビビッドカラーのカエルたちを見ただけで、それまで抱いていたイメージが一新するに違いない。

 他にも、背中側が青みがかったピーコックグリーン、お腹側はピンクのツートンカラーで、つぶらな黒い瞳に赤いアイラインがおしゃれな「ボリビアネコメガエル」など色とりどりの「きれい」なカエルたちから、「アースカラー」、見かけは独特だけれどチャーミングな「きもかわ」、びっくり技を繰り出す「びっくり」、そして身近な「日本のカエル」まで、5つのカテゴリーで87種を網羅。

 一読すれば、あなたも「カエラー」に仲間入りをしたくなるはず。

(山と溪谷社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」