「妻はサバイバー」永田豊隆著
結婚4年目の頃、妻がおかしくなった。大量に食べてトイレで吐くということを繰り返す。1年で4回入退院を繰り返す事態に。
妻は「食べ吐きは、たった一つの私の部屋なの」と言う。妻は高校時代、男子生徒に「太い」と言われたと思い込み、食事をとれなくなった後、今度は食欲を抑えられなくなった。暴力的な父親のもとで育ち、最初の夫も支配欲が強かった。食費がかさんで、ある日、預金残高がゼロになっていることに気づく。精神科医のM医師は、緊張と恐怖の中で生きてきた妻が、著者と出会って安心して症状を出せるようになったと説明した。
新聞記者が摂食障害の妻に寄り添って生きる日々をつづる。
(朝日新聞出版 1540円)