「宿根草で手間いらず 一年中美しい 小さな庭づくり」阿部容子監修
植物にあふれた庭は暮らしに潤いをもたらしてくれる。と同時に、植物が植わった庭はどんなに小さくとも手入れが必要で、それをストレスと感じてしまうことがままある。
本書は、一度植えるとその場に根付き、翌年以降も楽しめる宿根草を用いて、手間がかからずお財布にも優しい庭づくりを初心者にも分かりやすく教えてくれるガーデニング入門書。
まずは自らのライフスタイルや体力を考慮して無理のない庭計画の立て方から。手入れする時間がたっぷりあるなら、さまざまな植物の組み合わせにトライできる。しかし、週1回、休日くらいしか庭仕事に使えないのなら、病害虫に強くゆっくり生育する植物を選べば、剪定(せんてい)や株分けなどの作業に追われず、ローメンテナンスで楽しめる。
また仕事で日中留守にすることが多い人は、夜も美しく見える庭づくりを目指せばよいという。
庭は植物の実際の量よりも、どんな植物を、どこに、どのように配置するかでその量感が変わる。庭面積の20~30%程度の植栽帯があれば、十分に見た目の緑の量感を得ることができるという。
その上で、植物の形の違いや隣り合う葉のカラーハーモニーを意識するなど、実際の宿根草選びのポイントを解説。さらに土壌整備にはじまる実際の細かい手順を順を追って教えてくれる。
一方で公道に面した玄関横の奥行き60センチ、横3.3メートルの日陰の花壇や、奥行き40センチのスペースにクレマチスとバラを植えっぱなしにしてフェンスに絡ませ立体的に仕立てた前庭など、個人邸やプロのガーデナーによる小さな庭の実例も紹介。
もちろん小さな庭で育てやすい宿根草81種の図鑑も網羅。この一冊であなたも憧れのガーデナーの仲間入りだ。
(西東社 1650円)