第二話 立場的にあり得ない(32)心が生きることを拒絶
病室のドアがノックされ、五十嵐由奈は目を覚ました。
ドアが開いて入ってきたのは、看護師だった。手に食事が載ったトレイを持っている。看護師は、ベッドの横にあるラックの台を引き出し、そのうえにトレイを置くと由奈の顔をのぞき込んだ。
「起きた? 夕飯よ。今日のメニューは…
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