第二話 立場的にあり得ない(40)人は常に悩みを抱えているの
由奈は独り言のようにつぶやいた。
「私は、ずっと楽になりたいって思ってた。そう願っても叶わなくて、辛くて、気が付くと手首を切っていた──」
「はっきりとした、死への願望があったわけではないでしょう?」
涼子の問いに、由奈は頷く。死にたい、と思ったわけではない…
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