(16)一つの新薬の開発に15年以上
小島は浅黒い顔の男だった。
三十過ぎだろうが、薄くなったごま塩頭のせいで四十半ばくらいに見える。どこか埴輪に似た顔つきだ。
目で挨拶をかわしただけで、名刺のやりとりをしないまま、正木は中に促された。
「なにかわかりましたか」
応接室のソファに座ると…
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