「コレモ日本語アルカ?」金水敏著

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「コレモ日本語アルカ?」金水敏著

「あなたこの薬のむよろし。毒ない。決して毒ない。のむよろし」というセリフ。多くの人がこの話し手を中国人と想像することだろう。しかし、実際にこのような話し方の中国人と会ったことがある人はいないのではなかろうか。なぜ私たちは、こうしたセリフを中国人が話していると感じるのか。

 著者が「アルヨことば」と名付けたこの話し方は、「役割語」のひとつだという。役割語とは、特定の話し方(語彙や言い回し、声質など)と人物像(性別、世代、職業、人種、国籍など)とが連想関係として結び付けられ、かつ社会的にその知識が共有されている話し方のことだ。「そうじゃ」の話し手を老人と捉えるのと同じように。

 本書は、宮沢賢治の作品にまでさかのぼり、「アルヨことば」の起源と歴史を解説したテキスト。

(岩波書店 1452円)

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