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「生成AI 社会を激変させるAIの創造力」白辺陽著

「生成AI 社会を激変させるAIの創造力」白辺陽著

 目次を見渡すと「文章だけではない生成AI」という章が目に付く。AIの進化のなかで画像を扱うことはハードルの高いことだったという。文字テキストに対してデータの情報量が圧倒的に多い画像は扱いにくいわけだ。しかも、AIは猫の写真を見ても色を表すデータの集まりとしか認識せず、いわんや「かわいい猫」などとは思いもしない体。しかし、手書きの文字を画像と見たうえで、膨大な数の手書き文字を深層学習で読み込んで共通パターンを学ぶことで、まずAIはOCR技術を確立。

 ついで顔認証など、画像の中から特定の人間の顔を識別する技術などが急発達し、車の自動運転でもカメラで撮影した画像をリアルタイムに分析し、道路の幅や、先行車との車間距離などの位置関係、歩行者の有無などを瞬時に判別できるようになった。

 そして、いまではAIの側が独自に画像を生成できるところまで来たのだ。チャットGPTを開発したオープンAI社は2021年1月にこの画像生成を発表。いまでは写真の修正は無論、特定の人物のシミュレーション動画まで作成する。悪用されると、これがフェイク動画になったりするわけだ。

 たしかに本書がいうように「社会を激変させる」かもという気がしてくる。 (SBクリエイティブ 1870円)

【連載】本で読み解くNEWSの深層

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