(7)針だって長い方が有利では
反物を包んだ風呂敷を背中にしょって、おしまは日本橋から大鋸町へと歩いた。途中に大きな畳屋があり、空け放した土間から職人たちの働きぶりが見て取れた。いつもなら一顧だにせず通り過ぎるのに、何故だかその時は足を止め、中の様子を眺めた。
職人たちはそれぞれに框縫い、平刺し、返し…
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