(6)重三郎は絵草紙ばかりか漢籍も
〈第1章〉 本屋の生い立ち
差し込む光がまぶしい。少年は長い睫毛を瞬かせ、蒲団の中で身体を伸ばした。
チチッ、チュンチュン。雀のさえずりが妙に大きい。いつもは煮炊きや掃除、洗濯の音に女中と男衆の声が重なって寝間まで聞こえてくるのに。今朝はしーんとしている。…
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