著者のコラム一覧
嶺里俊介作家

1964年、東京都生まれ。学習院大学法学部卒。2015年「星宿る虫」で第19回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。著書に「走馬灯症候群」「地棲魚」「地霊都市 東京第24特別区」「昭和怪談」ほか多数。

語り継がれる民話 ~『遠野物語』~ ざしきわらしは怖ろしい存在でもあるのだ

公開日: 更新日:

利益だけもたらす神様の名は…

 最後に、家の神さまである『まよいが』を紹介しましょう。めずらしく、人に利益を与えるだけの神さまです。

 こんな神さまは例外中の例外。なにかに迷ったとき、進むべき道を指示してくれるというありがたい家なのですが、なかなか出会えないとのこと。

 その家にあるものを一つだけ持ち帰ると、その後は何度も恩恵を賜ることがあるそうな。握り飯を選んだら、何度も復活するそうです。生涯空腹にはならないということですね。

 ぜひ一度訪れてみたいものです。

 だって、人生は迷いの連続ですから。


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