テレサ・テン“偽造”パスポート入国騒動

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 テレサは取り調べには素直に応じ、入国の際に使ったパスポートが不正に作成されたものであることを認めた。このパスポートはインドネシアで彼女のファンから2万香港ドル(約80万円)で買ったものだという。偽造といってもインドネシア政府発行パスポートでまったくの偽物ではなく、現地の役人を巻き込んで不正発給されたものであった。

 もっとも、テレサは正式な母国台湾のパスポートも持っていたから、マスコミはいぶかった。実は事件の7年前の72年9月に日中共同声明で、日本政府は中国本土の「中華人民共和国」を「中国の唯一の合法政府」と承認した。これに伴って台湾の「中華民国」とは国交断絶になった。台湾国内の日本大使館も閉鎖。日本に来るためのビザを取るのにも1、2カ月かかるようになったという。

 彼女は「台湾の立場が今のようになってから諸外国への出入りが不便になってしまった」とも供述した。当時、台湾の芸能人はこんな事情からインドネシアのパスポートを持つ人も少なくなかったという。

 テレサは14歳で台湾で歌手としてデビュー、アジア諸国でも人気を集める。74年からは日本でも歌手活動を開始。その年の日本レコード大賞新人賞を受賞。アグネス・チャンや欧陽菲菲らとともに外国人アイドルとして人気を集めた。

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