キアヌ主演「47RONIN」 記録的大コケもプロは高評価
「和魂洋才ならぬ洋魂和才。忠臣蔵の魂を外国人ならではの視点で真面目に描いた作品」とは、映画批評家の前田有一氏。
「先日、映画のPRで来日したキアヌは四十七士が眠る東京・泉岳寺に墓参りに訪れたのですが、その様子は大々的に報じられなかった。プロモーションありきの演出ではなかったように感じます。今回の役柄に真摯に取り組んだキアヌの姿勢は、大石内蔵助役の真田広之との壮絶なチャンバラシーンにもよく表れている。そして大きなポイントは、リンシュ監督が忠臣蔵の精神を理解していること。世界各地で内紛が絶えないことからも分かるように、外国人にはあだ討ちは連鎖するもので終止符を打つという思想はない。最後の四十七士の切腹シーンを劇的かつ華々しく描いたのは、極めて日本的な情緒である赤穂浪士の精神に感銘を受けたからでしょう」
真田のほか菊池凛子や浅野忠信も出演する本作。外国人が握ってもうまい寿司だってある。“食わず嫌い”はやめて、ぜひ劇場へ。