【対談】鈴木敏夫×権藤博 監督論から宮崎駿引退の真相まで
権「イヤなことがある時にね、そこから逃げないで徹底的に考えるんですよ。寝る時も、ずうっと考える。するとある時ね、いろいろ考えてもしょうがないって気になるんです」
鈴「良くないことを引きずらない。それって、監督としてものすごく大事なことですよね」
権「コーチをやり始めてからそうなりました」
鈴「ボクもやってきたことを忘れる努力をするんです。人間の覚えられる量って、決まってると思うんです。だから、過去のことはいいことも悪いことも含めて、忘れる。じゃないと先へ進めない」
――権藤さんはコーチとして、鈴木さんはプロデューサーとして、監督を支えてきたわけですが、成功する監督はどういう人ですか?
鈴「みんなの信頼があるかどうか、そこに尽きると思うんですよね。選手が監督を信頼していて、監督も選手を信頼している。あるとしたらそれだけですよね」
権「選手の悪口だけはダメです。人前では絶対に言わないで、言う時は選手に直接言う。おまえの力はそんなもんじゃない、明日も行け! あとは知らん顔してる。これです」