報ステ「原発報道」を封印…テレビ朝日の自主規制と過剰反応
「原発報道」をめぐって、テレビ朝日が揺れている。
発端は9月10日の「報道ステーション」の事実誤認報道。原子力規制委員会による川内原発の安全審査に関するニュースで、「竜巻」についてのやりとりを「火山」と伝えたり、田中委員長が一切の回答を拒否したかのような印象を与える報じ方をした。放送を見た規制委が抗議し、報ステは2日後に訂正放送を行った。
この事実は新聞各紙が報じたが、ベタ記事扱いで騒ぎにはならず、通常なら「社内教育を徹底します」で終わるところ。しかし、「テレ朝内部はこれを重大事にして、BPO(放送倫理・番組向上機構)に自ら報告。関係者に厳しい処分を科すべく、検討を始めたのです。過去の訂正と比べて、なぜそこまで過剰反応するのか、疑問の声が出ています」(テレ朝関係者)。
スポンサーや政権への配慮なのか、原発が“タブー”とされる民放。そんな中、報ステが原発の是非や危険性にも言及しながら報じる数少ない番組なのは、周知の事実だ。キャスターの古舘伊知郎が以前、「(原発報道に対して)圧力がかかって、番組を切られても本望」と言っていたが、社内にそうした空気があるのは間違いない。今回の訂正はテレ朝上層部にとって“渡りに船”。上層部の狙いは、報ステの「原発報道」潰しではないか。