K―1王者ピーター・アーツの人生を変えたブルース・リー
ファイターへの道を邪魔した人もいた。母親だ。ボクシングを始めたら猛反対で、「あんなものやると不良になる」ってね。
オレが生まれたオランダは、日本じゃ、アニメで人気だった「フランダースの犬」のイメージがあって、のんびりした国に思われてるけど、大きな間違い。毎日がバイオレンス&バイオレンス。夜は男でも一人歩きは危険な国なのさ。
それで、とくに悪い連中は腕っ節を鍛えるために、オレが子供の頃はボクシング、それ以後は空手とかキックボクシングをやったわけさ。母親が心配するのは無理もなかったと思う。
だけど、どうしてもファイターになりたいって気持ちを持ち続けた。そんな時に見たのがブルース・リー。彼の映画を見なかったら、オレは別の道を歩んでたと思う。彼の影響で格闘技をはじめたってヤツも多いよ。K─1ファイターだとアンディ・フグ、ジェロム・レ・バンナ、ミルコ・クロコップとか。
だから、全世界で行われてるキックボクシングや格闘技は彼の影響を大きく受けて成り立っているのは間違いないよ。
私も、まだまだ現役。昨年12月に「ピーター・アーツ引退」という試合を行ったけど、あれはプロモーターサイドのセールストーク。私は納得していないんだ。まだ試合ができるコンディションだし、モチベーションだって高い。10月19日には大阪でアーネスト・ホーストと8年ぶりに試合したばかり。これからも応援して欲しいね。