オペラ歌手が夢の元幕内・大至さん スナックで毎晩美声披露
■劇団四季ミュージカルのメーンキャスト候補に
「女房との間に中2、中3の息子がいて、これからたっぷりとカネがかかるでしょ。オペラ歌手になりたいと相撲界を飛び出したのはいいけど、正直、自分の路線がまだ手探り状態であるのも事実です。言い換えれば、収入がもうひとつ安定しない。で、この店で働いてきちっと生活の糧を得るとともに、自分のやりたいことを発信できたらいいな、と考えました」
自宅は店からクルマで5分。深夜に店が終わっても、「楽勝で帰れる」そうだ。
ところで、去年11月、大きなチャンスが巡ってきた。
今年5月に開幕する劇団四季のミュージカル「アラジン」のキャストオーディションが行われ、大至さんは約1500人の応募の中から、メーンキャスト候補60人に残ったのだ。
「予備審査は録音した課題曲とセリフを送って合格し、予選を経て、横浜にある四季芸術センターで“ランプの精”ジニー役のファイナル選考を受けました。選考では実際の役者さんを相手にセリフのやりとりをしなければいけない。いやあ、緊張しました。あと、当然のことながら、残ったのはツワモノばかりで……」
結局、残念な結果に終わった。
「自分には何が足りなかったのか? 選考するのは四季の方なのでボクにはわかりません。ただ、ミュージカルは四季だけじゃない。次のチャンスを目指してガンバりますよ」