会社員から落語家へ 立川談慶さん語る「二つ目」までの9年半

公開日: 更新日:

 それがいかに大甘だったかって知るのは、入門後なわけですが、今から思えば、師匠の内面を知りもしないで勝手に算段し、よくぞ飛び込んだものだと恥じ入る次第です。

 入門後、私が借りたアパートは、師匠のご自宅があった練馬区大泉学園のそば。2階建ての木造で築50年は優に超えてると推測される年季入りの6畳一間、トイレ共同で家賃は2万円でした。

 壁なんて、薄くて薄くて。隣室のオナラまで聞こえるぐらい。ある時、隣室のお兄さんが在室してるのに、留守と勘違いして落語の稽古をしてたら、バットで殴られるんじゃないかってぐらい凄いけんまくで怒られたこともありましたねえ。

 でも、敷地内でミョウガを栽培して、オカズや味噌汁の具にできたんですから、一概にマイナスばかりでもない。貧乏長屋の雰囲気を知るってのも勉強でしたね。

■上納金未納で“3倍返し”も

 それでも、なかなか昇進できません。一番キツかったのは、そのいら立ちや自分の不甲斐なさなんですが、経済的にも冬の時代でした。貯金はドンドン減っていくばかりです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???