20年無敗の裏プロ雀士 桜井章一氏が語る40年前の歌舞伎町

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 会社勤めの方は、社長の秘書のようなことをやっていました。社長は、政財界の大物たちと付き合いがあり、ある国の大統領とも一緒に酒を飲むような人でした。フィクサーと呼ばれる人たちもいましたね。

 だから、自分も若い時から政財界の裏の世界を見ていました。動くカネも大きかった。当時、200万円のカネを懐に入れて飲んでいました。歌舞伎町では「小悪」を相手に麻雀を打っていましたが、時には、政財界の「大悪」を相手に勝負することもありました。「大悪」は自分では麻雀を打たず、代走(代打ち)を立ててくる。絶対に負けないプロですよ。代走は、やっぱりレベルが違います。自分も時には代走をする時もあった。「大悪」と勝負する時は、大きなカネが動く。ただ、「大悪」と打つ時は、カネはもらわなかった。汚いカネだと思っていたんですよ。「大悪」を相手にする時は、勝っても負けても殺されるかもしれないという場面がありました。

 真剣勝負では絶対に負けず、勝ちつづけていましたが、心のなかでは、誰かに負けたかった。「大悪」相手の勝負は、勝っても負けても、被害者のようなものです。戦争と一緒ですよ。自分が勝負の世界から足を洗うには、負けるしかなかった。30歳の頃は、勝つ喜びしかなかったですけどね。歌舞伎町も変わったし、もうあんな時代は来ないかもしれませんね。

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