「今年は例年より難航」…選考委員に聞いた“流行語大賞の裏側”
そもそも、これら50の候補語はどのようにして選ばれているのだろうか。
「毎年9月から10月にかけて読者アンケートで候補語を募ります。今年は1000通近い応募がありました。ただ、中には特定の地方だけとか自分のクラスだけの流行語も混じっていて、一度も聞いたことがない言葉や何年も前の古い言葉も(笑い)。それらを整理して、50語に絞り込むところまでを編集部で行います。この作業を行うのが10月の後半です」
つまり、10月から12月にかけて流行した言葉は不利ということに?
「不利というよりも、残念ながら日の目を見ないことが多いです。10月クールから放送されたNHKの朝ドラから出た『びっくりぽん』というセリフは、選考会の時点ではまだ認知度が薄かったのでノミネートから漏れました。ただ、09年の『事業仕分け』のように、10月以降に登場した言葉でも、勢いがあれば急きょトップテンに入れる、というケースもあります。逆にその年の前半に流行した言葉も“終わった感”が出てしまえば厳しいかもしれません」
流行語トップテンと大賞を決めるのは7人の選考委員。ジャーナリストの鳥越俊太郎、東大名誉教授の姜尚中、女優の室井滋、歌人の俵万智、漫画家のやくみつる、クリエーティブ・ディレクターの箭内道彦の各氏、そして清水編集長だ。