監督手腕にも疑問符 アンジ―「不屈の男」低空飛行のワケ

公開日: 更新日:

「今作の最大の欠点は、日本人がまるで描けていないこと。ザンペリーニに執拗な虐待を与えたMIYAVI演じる渡辺伍長以外のフツーの日本人が全く描かれていないため、いかに渡辺伍長がエキセントリックかが薄れてしまい、今どきのモデル顔で非現実的なMIYAVIの容姿も生きていなかった。もっとも、監督の力不足を埋めるかのように脚本のコーエン兄弟をはじめ、脇を固める製作陣は素晴らしい。音楽のアレクサンドル・デスプラ、撮影監督のロジャー・ディーキンスに至っては、2人で計20回以上のアカデミー賞ノミネート歴を誇る才能の持ち主。スタッフに恵まれ、驚くようなトンデモな駄作にならなかったものの、すべてが中途半端な印象です」

 生還後のザンペリーニが福音派のキリスト教を信仰していたこともあってか、「ザンペリーニが柱を担ぐシーンはキリストの贖罪を彷彿とさせ、一部では彼をキリストに見立てた宗教映画などといわれています」(前出の前田氏)。

 アンジーの意気込みも俳優も中身も公開時期もすべてがチグハグだったようだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方