巨匠に不満顔で…細野辰興監督“給料全額カット”を語る

公開日: 更新日:

 それまでも大鍋に豚コマと鳥の手羽先、ジャガイモ、にんじん、たまねぎを放り込んで、カレーや水炊きにして食いつなぎ、1週間の食費を1000円で抑えたりしていたんですけど、そういうこともできない。どうやって食いつないだのか自分でも覚えていません。

 唯一考えられるのは、仲間の存在です。パチンコに勝ったとか、ちょっと臨時ボーナスが入ったといっては、その仲間の家に集まり、うまいものを食べたり、酒を酌み交わしたりしていました。時代が明るかったということもあるでしょうね。つらいとか、苦しいという思いはなかった。明日があるさ、良いことが必ずあるさって皆が思っていました。

 そうして3カ月余りが経ち、何とか迎えたクランクアップの日。打ち上げでまた今村監督に呼ばれました。黙って封筒を渡され、中を見ると20万円が入っていたんです。まあ、もらうはずの給料をもらっただけですから感謝する必要もないけど、感謝してしまった。さすがイマヘイ、やり方がうまい。

 最近の若者のように、あのとき撮影所を逃げ出さなかったのは、やっぱり映画が本当に好きだったから。その思いしかありません。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”