ブレーク嫉妬せず 志村けんを受け入れた加藤茶のドリフ愛
志村は加藤に頼み、口利きをしてもらいドリフの付き人に復帰。そのまま、居候生活を始めた。志村がいなかった1年間でドリフは大ブレーク。特に加藤茶の人気はものすごく、「ウンコチンチン」「チョットだけョ」などのギャグが次々と流行していった。
ドリフの笑いは、嫌われ者のいかりや、反抗的な荒井、怒られまいとピリピリする加藤、ボーッとしている高木、何を考えているんだか分からない仲本という人間関係の笑いだといかりや自身が分析している。だから、いかりやは荒井と同じ年で似たキャラクターの人物を入れようとしたのだろう。
そんな中で志村の加入は“劇薬”だった。関係性が崩れたドリフは最初はカミ合わず苦しんだ。だが、加入から2年、「東村山音頭」のヒットとともに志村がブレークした。
「志村加入以後は、人間関係上のコントというより、ギャグの連発、ギャグの串刺しになっていった」(新潮社=いかりや長介著「だめだこりゃ」01年4月発売)と、いかりやが述懐するように志村はドリフの笑いの構造そのものを変えたのだ。
加藤は「ずいぶん刺激された」と言う。けれど、嫉妬などには向かわなかった。