全く境遇の違うビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズ<前編>
ところがIBMがパソコンに進出する時、ビル・ゲイツがMS―DOSを開発。IBMとの契約過程でゲイツは開発費を安く抑える代わりに他のあらゆるメーカーのパソコンでこのOSが利用できるという権利をIBMから引き出し、その後マイクロソフト社は巨額の使用料を得る。古川氏によるとゲイツは非常に細部にこだわる人間だったという。彼がお忍びで日本に来た時のこと。東京駅から京都に旅をする際に古川氏は会社の経費で新幹線のグリーン車の切符を購入した。それをゲイツに渡したら彼は「これは誰の経費で買ったのか?」と聞いてきた。古川氏は「会社の出張費で処理します」と答えた瞬間、ゲイツは大激怒。
「君は、そういう経費の使い方をするのか? それで許されると思っているのか?」
と新幹線のホームで大声で怒鳴り始めたというのだ。アメリカ本社から来た側近たちも騒然とする中、古川氏は「自分が自腹で立て替えておきます」と言って、その場をおさめたのだという。