「焼肉ドラゴン」鄭義信監督は崔洋一作品の脚本が転機に
■監督をやるとは夢にも思わなかった
僕は、ずっと舞台の人と思われていますが、スタートは映画でした。
同志社大学を中退した後、毎日、映画を見て過ごしているうちに「スクリーンの向こう側へ行ってみたい」と思うようになって、横浜にある横浜放送映画専門学校(現日本映画大学)に入学したんです。卒業後は松竹大船で、装飾助手を経て、美術助手もやりました。
自分が書いた作品の演出もずっとやってきましたが、まさか監督をやるとは夢にも思わなかった。
とにかく、無我夢中の1カ月でした。とにかく、毎日の撮影予定をこなすのに必死でした。
舞台は生きものだから毎日芝居が違うし、隅にいる人も視界に入るので、その動き方が気になって細かく指示を出す。けれども、映画は平面だからどこをどう切り取るか苦心しました。それが舞台と映画の大きな違いかな。
でも、実はまだ、監督になった実感はまったくありません。
初日の舞台挨拶の時になってもまだ、ボーッとしてるかもしれないなんて、思ったりしました。
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