"ガンダム女王"森口博子の夢は 願うのでなく、決めること
90年代初頭にはレギュラー12本、毎日レギュラー番組が放送されるという絶頂期を迎えた。けれど、森口の夢はあくまでも歌手だった。その思いが届いたのか、23歳のとき、91年の映画「機動戦士ガンダムF91」(松竹)の主題歌を歌い、大ヒット。以降、「紅白歌合戦」に6年連続出場を果たすこととなった。
しかし、30代に入ると「人間関係、仕事、体調、家族との関係、恋愛、もう四面楚歌!」(リットーミュージック「耳マン」2016年11月16日)で、ぐちゃぐちゃになったという。
そんな時、思い浮かべたのが母からの「口角を上げてなさい」という教えだった。ツラいときでも無理して笑うのはキツかった。「だけど、ほんっとうに無理してでも笑ってたら、心があとから付いて」きた(同前)。
いい仕事とも出合うようになった。そのひとつが07年発売のPS2のゲームソフト、「SDガンダム Gジェネレーションスピリッツ」(バンダイナムコ)の主題歌だ。10代、20代、30代で森口は「ガンダム」の主題歌を歌い、「ガンダムの女神」と呼ばれるようになった。けれど、逆にツラいときに、いつも手を差し伸べてくれる「『ガンダム』こそ、私にとっての女神」(blueprint「リアルサウンド」18年2月14日)と、彼女は言う。