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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

令和の芸能界の行方は…芸人のタレント化か伝統芸の復活か

公開日: 更新日:

「最近の芸人は芸を見せなくなった」と嘆いていたのは、先月亡くなった医療漫談家のケーシー高峰さん(享年85)だった。改めてケーシーさんの漫談をユーチューブで見ると、世代も時代も超えて笑える芸がある。「笑わせてナンボ」といわれる芸人の世界とはいえ、「プロ」の凄さを痛感する。昭和はそんな芸人であふれ、競い合っていた。常に新しいネタを追求しないと、仕事も人気もなくなる厳しい世界でもあった。

 平成に入ると一転、芸人の芸を見る機会が減った。芸人が本来のネタを見せるのはお笑いの特番ぐらいで、もっぱら見るのはトークを中心としたバラエティー番組。芸人ではなくタレントとしての活動である。芸人はタレントになるための手段でしかなくなっているように見える。これも時代の流れとはいえ、芸人の大半はタレント活動が中心。どんな漫才をしていたのかも忘れてしまうほどだ。今や芸人の定席もひな壇。演芸場の舞台の上ではない。

 令和に入ってもこのままバラエティーが続けば、ますます芸人の需要は増える。芸を見せる機会はさらに減る。本来、本業の漫才の延長でタレントをするのが自然だが、今は完全に逆転。タレント活動の合間に芸を見せる。それでも最近の芸人は才能豊か。作家や俳優として新たな才能を開花。別な道に進出することも決して珍しくない。

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