MCに甘え自分を貫き仕上がった「ずん飯尾」の愛されキャラ
だが、2人のほうが暗い顔をしている。「テレビでは自分たちのやりたいことがほとんどできない」「それをどうしたら少しでもできるようになるか」と悩んでいたという。ああ、売れてもそういう悩みがあるのだ」とキャイ~ンから「予防注射」を打たれたようだった。
また、もう芸人を辞めようかと思った時に限って、ウドや先輩の関根勤から「面白い」と言われ、「痛み止め注射」を打たれ、続けることができた。
ある年の年末、仕事納めだななどと言いながら、相方のやすと喫茶店でランチを食べていると、ウドから特番の収録で忘年会に遅れるという連絡が入った。その時、芸人にとって、かき入れ時の年末に仕事がないなんて、ヤバいんじゃないかと思ったという。
そこで開き直った。「今日から人に甘えよう。MCに甘えよう。バンバン、バンバン、スベってもいいから何でも答えていこう」と。「何もなくなったら、好きな食べ物でも叫べばいいじゃないか」と、やすと共に決めた。すると、年明け1発目の仕事で、やすがMCと絡み、15秒後に「ホタテ~っ!」と叫んでいた(文芸春秋社「文春オンライン」19年5月26日)。