著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

忌まわしき戦争を思い返す責務がヤマトンチュウにはある

公開日: 更新日:

 今年は気の遠くなるような辺野古移転問題どころか、琉球の民の心のよりどころになっていた首里城も燃えて消えてしまった。可哀想になんて言うと沖縄の人に張り飛ばされそうだ。本土のヤマトンチュウは沖縄の民の悲しみや苦しみなど何ひとつも分かっていない。辺野古に基地が出来ようと出来まいとどうでもいいのだ。我も今まで何度も書いてきたが、ウチナンチュウ(沖縄の民)の心など誰も知らないのだ。

 年の瀬に改めて思う。沖縄の映画を作りたい。生き地獄と化した忌まわしき戦争を思い返してみる責務がヤマトンチュウにはある。敗戦後、米軍が半永久的に駐留してしまうことを本土の誰と誰と誰が許してしまったのか。もう一度、戦後統治の裏を探り直してみたい。

 撮りたいのは「仁義なき戦い」の名脚本家・笠原和夫先輩の遺稿、「沖縄進撃作戦」だ。米軍の食糧や物資を盗んで生きしのいだ「戦果アギャー」(琉球ヤクザ)と本土から侵攻する“ヤクザたちの攻防の戦後史”で、上陸した頃のNetflixに企画を出したが立ち消えになった、琉球魂を死守するドラマだ。今なら、フリックスさんも歓迎してくれるかな。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ